ベンチャーで働くということ2

 
さて先日、サッカーで例えるとベンチャーは地方弱小クラブ、大企業はビッグクラブと言いましたが、大企業っていったいどこからが大企業なのかご存知でしょうか?
 
大企業と中小企業という区分けには、法律で決まった定義があります。
こちら
 
平成16年中小企業白書を見ると、日本全国に存在する企業の数が434万社、そのうち大企業は0.3%しかありません。そうです、世の中に存在する企業のほとんどは、中小企業なのです。従業者数の観点からいくと、大企業で働いている人が1000万人、中小企業で働いている人が2800万人と、10人中7人が中小企業で働いているそうです。中小企業と一言でいっても、1人2人の零細企業から、ほとんど大企業と言ってもいいような大きな企業まで様々ですが、先述の定義にしたがって一応、分けられています。
 
大企業と中小企業の分け方については分かってもらえたかと思いますが、さらに中小企業とベンチャーの分け方も書いておきましょう。マスコミなどでは、この2つはあまり区別されずに使われていますが、もともとは違う意味です。ベンチャーとは、ようは、ベンチャーキャピタルが投資対象とするような急成長のビジネスプランを持っている企業の事ですね。詳しくはここここを見てください。それ以外の企業は、急激な成長を目指さずコツコツやっていくタイプで、中小企業やスモールビジネスと呼ばれます。これは梅田望夫さんも書いているように、どちらが優れているとか、素晴らしいとかではありません。会社のタイプが違うという事です。
 
そう考えると、ベンチャーは、「地方弱小クラブ」というよりは、「地方の新進気鋭のクラブ」と言ったほうがいいかもしれませんね。J2時代のアルビレックス新潟のように、まだ弱小だけど近い将来ビッグクラブになる事を目指しているクラブという事です。
 
あっ、そういえば、大企業がサッカーのビッグクラブという表現は間違いかもしれません。というのも、大企業はサッカーというよりアメフトに近いからです。サッカーは、各選手が試合の流れの中でいろんな役割をこなし守備にも攻撃にも関わるスポーツです。いい意味でいいかげん。いや、臨機応変というべきかな。それに対し、アメフトは非常にシステマチックで、分業体制、専門化が進んでいるスポーツです。守備と攻撃は、選手を総入れ替えして戦うし、攻撃の選手の中でも分業化していて、パスを出すのは常にQB。中には、ボールを持った味方選手の走る場所を確保するためだけの選手もいるぐらいです。ベンチャーや中小企業の仕事のやり方は、サッカータイプです。まさに臨機応変に一人何役もこなしますし、多岐にわたる仕事をします。それに大して大企業の仕事のやり方はアメフトタイプ。高度な分業体制のもと仕事をこなしていくのです。サッカーにはサッカーの楽しさが、アメフトにはアメフトの楽しさがありますので、どこに就職するかは、本人次第じゃないでしょうか。
 
というわけで、ベンチャーはサッカーの新進気鋭クラブ。大企業はアメフトの強豪チーム。中小企業はその規模によって幅があり、サッカーの弱小・中堅チーム〜アメフトの弱小・中堅チームぐらいをイメージしてくれれば大体OKです。組織が大きくなるほどアメフトに近くなります。自分の進路を決めるのは、かなり悩むと思いますが、みなさん頑張って下さいね!