学びの素質

今春に就職した女の子が、仙台に帰ってくるというので、何人かでお茶を飲みながらしゃべった。彼女は去年まで、ある学生団体の代表でリーダーとしてバリバリ活躍していた人だ。その時聞いた印象的なセリフがある。それは、こんな感じ。
 
「就職してこの半年。何かやる度に怒られた。文章を出せば真っ赤になって戻ってきた。自分は、こんなにできない子じゃないと、認めるのが悔しくて毎日夜泣いた。週末が終わって月曜日になると会社に行きたくなかった。」
 
う〜ん、大変やね。
俺が働いているのは大学なので、厳しい社員教育システムはない。なので、そこまで追い込まれるような事はないのだが、その気持ちは分かる気がする。学生時代に何をどんだけやっていたって、社会に出れば「ひよっこ」だ。自転車をうまく乗れたからと言っても、まだジェット機にうまく乗れるような人間ではないのだ。ジェット機に乗るには、覚えなければならない事が山ほどある。違う国に来たのだというぐらいの気持ちで、1から覚え直すぐらいで調度良い。学生時代に得たやり方で、ごり押しすれば、自転車の乗り方でジェット機を運転しようとしているようなものだろう。
 
確かに、大人たちを見ていると、腐った部分や、まどろっこしいところもある。そういうところに染まりたくはないが、学べるものは素直に学びとらなければならない。ここで邪魔になるのは、プライドだ。下手に学生時代に何かを成してきていると、プライドが邪魔をして素直に学べない。プライドを内に秘めるのはいいが、無意識に外ににじみ出てしまうことがあるから要注意だ。周囲の人間はそれを敏感に感じて、あなたを疎んじるだろう。
 
人から学ぶには、「素直さ」、「謙虚さ」、「愛嬌」の3つが必要だと思う。
本から学ぶならその限りではないが、人から学ぶなら必須だ。あなたがこの「学びの素質」を持っているのなら、すぐにジェット機も乗りこなせるようになるだろう。しかし、そうでなければ一介の自転車乗りで終わるかもしれない。くだらないプライドは捨てたほうがいい。あなたはまだ何者でもないのだから。
 
P.S.
誰に言ってるんでしょうね、この文章。
自分でもあり、他人でもあり(笑)