伝えるという事

伝わっていると思っていた事が、伝わっていない事に驚く。
口頭でも言ったし、メールでも書いたはず。
なのに、伝わっていなかった。う〜ん。
 
俺は、一度言った事は、再び言わない主義である。
それは父親を反面教師にしたからだ。
父親が何度も何度も、同じ事を言うのは、結局、彼がそれを言いたいだけなのだ、と思っていたから。幼少の俺は「一度言われれば分かるよ。うるさいなぁ」と思っていた。
 
しかし、相手に伝えようと思ったら、同じ事を何度も言わないと、ダメらしい。
しかも、ずっと、言い続けないと、昔の発言は簡単に忘れ去られてしまうらしい。
JTPA中村孝一郎さんは、「上司は技術を分かっていなかったが、彼に何度も何度も”歩留まりが重要”と言われ続けた事によって、自分の考え方が変わった」と言っていた。一度きりの発言では、さっと聞き流されてしまう。「重要」という言葉の重みさえ、キチンと伝わらない。相手が何度も同じ事を言う、その行動を見て、ようやくその重要さに気づくのだろう。イメージを伝え、共有するのには、想像以上に手間がかかるようだ。長期戦を覚悟しなくてはいけないのかもしれない。
 
俺の「再び言わない主義」は変える必要がありそうだ。