ベンチャーに先端技術は必要か?

ベンチャーで成功するには必ずしも最先端の技術が必要というわけではない。型落ち技術の組み合わせで新しい物を作るほうが、成功する率は高い。シリコンバレーでもそう。」というような趣旨の事を、大澤弘治さんが言っていた。in BLS東北交流会
http://www.jtpa.org/member/000045.html
 
また、あるメルマガには、こう書かれていた。
「商品開発は何十年先に評価されても意味がない。世の中が12時とすると少し先の12時15分に照準を合わせればよい。商品開発には「センス」や「感性」はあったほうがいいが、センスだけではだめである。ポイントは「人間の普遍的な欲望」を認めるところから始まる。むしろ『アマチュアの発想』をプロがアレンジするくらいが商品開発には適している。」by経営コンサルタント飯塚保人 http://www.isk.ne.jp
 
ハイテクベンチャーと言えば、飛びぬけた技術力を武器に新商品を作り、大学よりもさらに高い技術レベルを目指すものというイメージがある。しかし、実態は違うのではないか、という印象を持ちはじめている。どんなに優れた技術でも、世の中のニーズの先を行き過ぎていては、ビジネスにならない。「イノベーションへの解」で言うところの、オーバーシュートである。
 
市場は尺取虫のように動いているように思う。半導体業界のような先端産業ではどんどん技術が高度化するが、他産業や一般庶民はそれに取り残される。その差はどんどん開く。しかし、ある所まで来ると、半導体産業でつちかった技術を、他産業に応用してビジネスする人々が現れる。一気にその差が縮まる。この繰り返しなのではないか?
 
通常、他産業の人は、先端産業の技術は他人ごとと思っている。その技術が自産業に応用された時に起こるイノベーション後の世界は想像できない。したがって、ニーズは潜在的な物として眠っている。それを掘り起こせればいい。事業の成功はタイミングとも言われる。最先端産業と他産業に、技術の差が拡大した時。そこがチャンス。このニーズのギャップを捉える事が大切なのだと思う。
 
例えば、半導体技術の応用を考える時に、その業界での最先端技術はいらない。半導体業界なら、あたりまえというレベルの技術を使えば足りる。そうやって、現にGENEチップやナノマシンが出来てきている。
 
だとすると、勝負はむしろ技術レベルでなく、アイデアマーケティングでは?
そして、既存技術の組み合わせにこそ活路があるのでは?