リケン操業停止からの気づき

新潟県中越沖地震でリケンという会社が被災し、日産、トヨタはじめ日本の自動車生産がストップしています。トヨタはリケンの復旧にむけて、300人もの社員を送り込んだそうです。


このニュースで驚くのは、日本の自動車産業のリケン一社への依存度の高さです。自動車の部品メーカーは数あれどリケンでしか供給できない価値があるのでしょう。リケンの技術・事業内容や経営手法を調べれば、中小企業の勝ち組モデルとなると思いました。


ところで、今回のように天災でキーとなる部品供給が止まると、自動車メーカーにとっては大損害です。今後このようなリスクを回避する方向に経営のメスが入れられると思います。具体的には、(1)部品の供給元を複数にし地域分散する。(2)部品メーカーに複数の工場をもたせ地域分散させる。(3)在庫を多くしバッファを作る。といったところだと思いますが、利益の源泉を放棄する3はないですね。また、リケンのような会社はオンリーワンだから、こういう事態に陥ってるわけで、1も難しい。規格品ならいざしらず、高度なすりあわせを必要とする部品を複数企業に作らせるのも難しいのではと思います。とすると、2が選択されるのでしょうか?そのためには、大手自動車メーカーは資金援助も辞さないのでは?設備保持のリスクは部品メーカーが持つのだから、自動車メーカーとしてはある程度資金援助しても見合います。


こんなロジックで今後、中小部品メーカーの新工場設立・多地域化が進むと予想しました。立地は、もとの工場からそれほど離れていないが、同時に天災を受けるリスクが小さい地域が選ばれるでしょう(仙台と山形のような)。また、活断層マップなんかを見て、将来の震災可能性の低いところが選ばれるでしょうね。


愛知県の部品メーカーは、どこに進出するかな?三重や静岡では同時被災のリスクがあるので、京都・奈良か長野・山梨といったところでしょうか。