買い手と売り手の非対称性

 
物を売るという行為は価値の等価交換と言われます。しかし、その行為の阻害要因には、買い手と売り手でものすごい非対称性があるという事に、改めて気づきました。ひらたく言えば、売り手が売れない理由よりも、買い手が買えない理由の方がはるかに多彩であるということです。こう言ってしまうと、あたりまえですが(笑)
 
私が面白いと思ってるのは、買い手にとっては、商品そのものの性能以外にも購入を阻んでいる理由がたくさんあるという事です。なので、売り手が陥りがちな「良い商品をお客さんに良く知ってもらえれば売れる」なんて思想は短絡的すぎるような気がします。
 
以下に、阻害要因をリスト化してみました。
 
売り手の阻害要因(売れない理由)
・特注で製造できない
・在庫無し
・代金の回収リスク高し
・小口顧客で手間多すぎる
 
買い手の阻害要因(買えない理由)
・スペック不足
・オーバースペック
・機能
・品質
・価格
・納期
・取り扱い不慣れ
・購入時に他の環境も揃えなくてはいけない
・購入後の予備検討のコスト
・上司の許可が得られない。説得できない。
・現場の人間が乗り気にならない
・担当者の決済権限
・会社の信用不足
・営業マンの信用
・長期安定供給が可能か
・時間不足
・人手不足
・担当者の仕事の優先順位
・競合品との優位性
・業界の動向
・法規制
・世界的な動向
・過去データの蓄積があり乗り換え不可能
・他社との付き合いで乗り換え不可能
などなど
 
買い手は、「商品そのもの + 商品の周辺 + 自分の周辺」を見てるんですね。