オシムサッカーとベンチャー企業

 
湯浅健二さんの書いたオシムサッカー評を読んでいて、ふと思いついた。
ベンチャー企業の組織論は、オシムサッカーを手本とすべきじゃないかと。
 
不確定要素が大きい場でのチームプレーという意味で、
サッカーとベンチャー経営には非常に共通点が多いと思う。
 
そのような場で本質的に重要なのは、
効率の良い動きやエレガントなボールテクニックではない。
重要なのは、生まれては消えるスペースに向かっての全力ダッシュの量と質なのだ。
「クリエイティブなムダ走り」と呼ばれるやつである。
 
オシム監督は「走る」事を重視する監督として知られる。
しかし、それを言葉通りに取ってはいけない。
「サッカーをして体しか疲れない選手は優秀ではない。
サッカーをして頭が疲れる選手が優秀だ」
これもオシム語録なのだ。
 
湯浅健二曰く

走るという行為には、様々な目的イメージが複合的に絡み合って含まれている。目的イメージも描けていないのに単に動き回るなんていうことはない。選手たちは、攻撃と守備の目的を達成するための様々なプロセスをイメージし、それをトレースしながらアクションを起こしていくのだ。したがって、走ることは、考えるという行為と同義だとも言える。そんな、結果として無駄に終わるかもしれないアクション(動き)をくり返すことによってのみ、魅力的で美しく、同時に勝負にも強いサッカーを体現できる。良いサッカーは、「クリエイティブなムダ走り」の積み重ねによってのみ実現できるのである。

 
また、オシム監督は、「リスクチャレンジがなければ、発展など望めるはずがない」ともいう。
 
そうか、僕らも手際良く仕事をするだけではダメだ。
個々の社員が常にイメージを描き、新しい余計な仕事にどんどんチャレンジする事。
そうして、社員全員が「クリエイティブなムダ走り」を連発する事。
もしそうなったら、うちの会社は組織として非常に強固になるだろう。
 
そうか。