好きなことを仕事にする。。。

 
「好きなことを仕事にする」
 
素晴らしい言葉です。しかしこれは、単純なようでいて、実に奥が深い言葉ですよ。
 
まず「好きなこと」。自分が何を好きなのか、みんな実は分かっていないという所が問題です。俺自身も、分かったようなつもりになっていますが、たまに分からなくなります。自分が何を好きなのかを、本当の意味で分かっている人なんていないのではないでしょうか?
 
例えば、寝るのが好きという人がいたとしましょう。では、周囲に反対されながら、親にまで白い目で見られながら、それでも寝るのが好きか、と問われれば、そこまで好きじゃないんです。灼熱の鉄板の上でも寝るかと言われたら、もちろん辞退しますよね。
 
他にも問題があります。人を助けるのが好きだから看護婦になりたい、という人がいたとします。でも、ホントのところ、実際にその仕事をやってみないと好きかどうかなんて分からないんです。なってみたら、嫌いな仕事だったとか、白衣にあこがれていただけだったとか、たくさんあるでしょうね。
 
では、仮に本当に自分が好きだと思う事があって、それをやっていたら成功できるでしょうか?俺は理学部出身なので、それがウソだという事が分かります。好きな事に没頭して、誰よりも努力をしていても、食っていけない人がたくさんいるのです。彼らは社会的に意味の無いことをしていたわけではありません。すぐに企業のためにはなったりはしませんが、長期で考えれば人類に貢献しています。でも食えないのです。その理由は、社会構造とか需給関係を見ればすぐ分かります。そこにお金を払える人、払いたいと思う人がいないのです。研究者の例は極端ですが、普通の仕事にだって当然そういった要因が働いているでしょう。好きな事を仕事にできるかどうかは、実はとても難しい問題なのです。
 
吉田さんはそれを全て分かった上で「スキメシ」と言っているのだと思います。それには俺も賛成です。世の中そんなに簡単にはいかないけど、「スキメシ」は素晴らしいんだ!成功できるんだ!と説くことは重要です。なぜなら、好きな事を仕事にするためのいろんな制約については、夢を持った実行段階の人が考えれば良い話で、夢を持つ前から制約を恐れて縮こまる必要はありません。何でも良いのでやりたい事が見つかったら、それを原動力にして一歩踏み出せば良いのです。一歩踏み出せば違う世界が見えてくるでしょう。それに、制約なんて動いてみたらどうって事なかった、なんて事だって往々にしてあるしね。