外国から見た東北とは

先日、うどん屋に入ったら、店のおばちゃんと外国人旅行者が何やらもめている。聞くと「うどんが切れたので、丼物しか出せない」と、ただそれだけの事であったが、英語のできないおばちゃんは四苦八苦。店にいた他の人は、誰も助けに入りそうもないので、俺が仲介に入った。最近、人間同士のコミュニケーションに、言語はあまり重要でないと感じている。英語なんて、カタコトでも十分。まあ、その話は、また後日にするとして、今日の本題はこちら。
 
仲介に入ったのをキッカケにその旅行者と少し話をした。 
その旅行者は香港人の夫婦。
十和田湖を見に来たのだそうだ。
「なぜ、十和田湖に来たの?」と聞くと、「有名な湖でしょ?」との返事。
うぇっ?日本人でも、あんまり行かないところ。俺も行った事ない。
彼らの持ってるガイドブックを見せてもらうと、あろうことか東北地方しか載ってなかった!もちろん日本で売ってるものではなくて、広東語で書かれた現地の本。むこうでは、こんなものが、普通に売っているらしい。どうやら、外国人にとって東北はとても魅力的な土地であるらしかった。ネットで調べるとこんな記事が。
 
東北地方のお祭りに感動
十和田湖冬物語も人気があった。 シンガポール男性の意見は 「素敵な花火と青森の伝統的な踊りに私はとても感動しました。絶対友達に紹介します。次の十和田湖冬物語にもう一度行きたいです。忘れられない夜になりました。」であった。
東北地方は交通の便があまりよくない。 そのため、日本人にも知られていない魅力がまだまだ隠されているだろう。 その隠された魅力を先に発見するのは、日本人ではなく外国人かもしれない。
http://www.softnomics.or.jp/magazine/tokusyu/2003/200310/jtbreport.html
 
以前、東北の売り出し方というエントリーを書いたが、海外から見ると、東北にはまた違った価値があるようだ。東北人は、その価値に気づいて、自らを売っていかなければいけない。香港人にとって日本がどう見えているのか、こんな記事もあった。
 
・香港の人々にとって日本は、先進性(ファッション、都市)、香港にはない自然(温泉、雪、四季の植物)、食べ物(生で食べられる新鮮な海産物、繊細な味の果物)、そして安全性を主な魅力とする憧れのデスティネーションです。近年の香港では、トレンディドラマのロケ地、ファッション・化粧(トレンディドラマの出演俳優・女優の影響大)、食べ物(ラーメン、回転寿司、さしみ、菓子、ケーキ等)、健康食品への関心が高くなっています。香港の大多数の新聞には芸能頁(カラー)が毎日あり、日本の人気タレントの最新情報が常に満載されています。また、雑誌には最新の日本製品(ファッション、化粧品、食べ物等)情報が多数掲載されています。
日本旅行は、リスクの少ないブランド商品と見なされており、「日本なら安ければどこでもよい」といわれるほどです。
・JNTOの「訪日外国人旅行調査2000-2001」によるとリピーター率は76.6%と極めて高く、根強い日本人気がうかがわれます。また、一説によると、平均的香港人は一生の内に4回は日本旅行をするといわれています。
http://www.jnto.go.jp/info/support/tokusei.html
 
外国人は、日本の都市を見に来ているのではない。自然、食べ物、温泉、田舎の情緒を見に来ている。とすると、田舎ブランドを持つ東北は強いんじゃないだろうか。今、国土交通省は、ビジット・ジャパン・キャンペーンというのをやっている。「YOKOSO JAPAN」って小泉首相が言ってるCMを見たことある人もいると思う。どうやらアレがそうだったようだ。外国から日本への旅行者を2010年までに1,000万人に増やすんだとか。東北が頑張れば、そのうち2割ぐらい取れるはず、200万人。10万円づつ消費したとして、2000億円か。小さくないよね。
 
その後、うどん屋香港人とは、笑顔で別れた。
とても、大切な気づきをもらった一時であった。