地域の活性化

「若者(学生)の起業家精神を育て、
その若者を地域に還流させることで、
得られる地域のメリット。それは何か。」
という、K馬さんからの問い。
 
自分なりの回答は、
「地域が、外部環境に対して、適応力を高める事」
である。
 
世界は常に変化し続ける。
地域の外部環境も常に変化し続ける。
従って、地域が存続するためには、自身の構造を常に変化させる事が必要。
この構造変化をやめると、すぐに衰退して、地域は死ぬ。
 
(以下の説明では、この地域自身による構造変化を「適応」と呼ぶことにする)
さて、例えば、過疎の村、このような地域は非常に適応力が低い。
なぜなら、そこにはもう、構造変化を起こそうという人間はいないからだ。
養蚕の時代はとっくに終わった。外部環境は変化している。しかし、じいちゃん、ばあちゃんに、外部環境変化についていける人はなかなかいない。変化をむしろポジティブに捉えて、新しい産業を作ろうという人など皆無。住民の交流も、足腰の衰えと共に弱る。家に引きこもりがちになる。気分も落ち込む。地域に活気がなくなる。人々が流出する。これが地域の死だ。
 
死んでいる地域には、「行動」がない。
「行動」は変化をもたらす。
地域が外部環境へ適応し、生き残るには、これが必要。
若者が多くても、「行動」がない地域は死んでいる。
従って「行動」を増殖させるために、「若者(学生)の起業家精神を育て、その若者を地域に還流させる」事が必要なのだと思う。
 
「行動」が必要というだけなら、中年・壮年の人々の「行動」を刺激するのでもいいだろう。
しかし、若い人間には、しがらみと、固定観念がない。
しかも、一般的にアクティビティが高い。
さらに、残された時間が中年・壮年の人間より長い。
従って、中長期で見て、地域の構造を変化させる能力が高く、地域の適応力を上げるには若者が重要なのだろう。
 
地域の死んでいく様は、まるでエントロピー増大の法則。
ほっておけば、人々は流出して拡散する。
これに逆らうものが、起業家精神を持つ若者なのかもしれない。