林業にチャンスあり

東北経済を活性化させるため必要なことは、個人的には「都市部でのベンチャー育成」&「郊外での農林水産業復活」じゃないかと思っています。その意味で、林業水産業にも興味を持ちつつあるのですが、日本政策投資銀行から面白いレポートが出ていました。


「世界の木材需給動向と日本の木材産業」
http://www.dbj.jp/ja/topics/report/2008/files/0000002036_file2.pdf


これを見ると、国産木材って輸入木材より安いんですね。
びっくり!

ではなぜ国産材は売れないのか、何が問題となっているかと言うと、このように書いてありました。

輸入材に比べ相対的に安価な国産丸太に対する期待は大きいものの、国産材利用は(1)品質のバラツキや(2)供給面における不安定さがボトルネックとなっており、こうした課題を克服する必要がある。
・具体的には、
(1)品質のバラツキの改善のためには、川下分野の工務店ハウスメーカーと連携し、集成材、乾燥材の開発や生産に自主的に取り組む必要がある。こうした取組みが差別化につながり、製品のブランド力強化になる。
(2)供給面における不安定さを解消するためには、流通の各段階で生じていた需要情報の偏在という阻害要因を排除する必要がある。そのためには、川上分野である森林所有者が所有者同士や製材業者との間で需要量や需要時期、納期などのデータを共有できる情報インフラ整備が求められる。
・こうしたゆるやかな情報共有を起点に、森林所有者と製材業者間でこれまでスポット売買されていた取引形態を、安定供給・調達のための長期契約に移行していくことが望まれる(図19)。

で、図19がこちら。このように構造変化をしていかなくてはいけないと。
逆にここにビジネスチャンスがあるってことですね。



直感では、ITや電子タグを使うと面白そうですが、
旧態依然とした産業構造をどう変えるかのほうが、骨が折れそうです。


くしくも、先日、日経新聞に下記のような記事が出ていましたが、東北大の人材育成では、ぜひこういう問題を解決してビジネスに繋げていける人材を作って欲しいものです。ここでの教育が、仮にもし、新しいおみやげ用お菓子を作って満足するような話しかしないなら全然意味がないと思います。


「東北大、農商工連携リーダー育成 ビジネスモデルなど講義」
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20081104c3b0404y04.html

 東北大学地域イノベーション研究センターなどは2009年度から、東北地域の農業や商業、工業などの連携で新事業を生み出すためのリーダーにあたる「農商工連携プロデューサー」を育成する講座を開く。東北の主力産業のひとつである第一次産業の資源を活用し、付加価値の高い商品やサービスを生み出す動きを人材面から支援する。

 検討中の講座(育成塾)は、経済産業省が採択した08年度の産学連携人材育成に関する事業の一環。4日には事業運営委員会(委員長=大滝精一・東北大地域イノベーション研究センター長)が初会合を開いた。行政機関のほか東北経済連合会などが参加した。

 講座案によると、農業法人や流通・小売業、製造業の20―40代の経営幹部候補などの参加を想定。09年度は約6カ月で10人程度の受講規模を念頭に、東北大の同センターや経済学、農学の研究者らが講師を担当。ビジネスモデルづくりや食材流通の講義や事例研究を盛り込む。